観光客誘致のために、「美人ガイド」を導入??
今年の台東の夏の観光は、悪天候の影響で思うように観光客数が延びず、苦境に立たされた。7月5日に開幕した国際熱気球フェスティバル(國際熱氣球嘉年華)は、台風と豪雨に見舞われ、昼夜を問わず多くのイベントが中止されました。観光事業者は、夏の観光収入が例年比で30%減少したと述べている。台東縣政府も緊急対策を打ち出した、観光客誘致に努力したものの、最終的にイベントには68万人の来場者に留まった。
こうした背景から、旅行専門家の麥(マイ)氏は、ベトナムが「美人ガイド」を採用し、数百万ドル規模のビジネスチャンスを生み出していると指摘。台東も「美人ガイド」の導入を検討して見たどうかと提言した。
しかし、業界関係者や法律専門家は、単にベトナムの「美人ガイド」を模倣するのではなく、ベトナムの成功の核となる要素を検証すると共に、し、台湾の法律を遵守した観光モデルを構築すべきだと警告している。
ベトナムのホーチミン市に拠点を置くXOToursは、2010年の創業以来、女性ガイドによる英語対応、バイクグルメツアー(保険付き)で高い評価を得ている。海外メディアの報道によると、同社は10万人以上の旅行者を受け入れており、人気のツアー料金は1人あたり約82米ドルと、体験型ツアーとしては中価格帯となっている。
同社は、「成功の秘訣は、美人女性ガイドというその外観ではなく、プロの女性ガイド、高い安全基準、そして楽しく写真映えする旅程の組み合わせにある」と主張している。TikTokやインフルエンサーマーケティングを通じて、XOToursは海外からの観光客誘致におけるモデルケースとなっている。
台湾の法律専門家は、「美人」を採用基準として採用することは、法規制上、違反する可能性があると指摘している。
就業服務法第5条では、「雇用主が性別、年齢、婚姻状況、さらには容姿や顔の特徴に基づいて差別してはならない」と明記されている。違反者は最高150万元(約730万円)の罰金が科せられる。性別平等工作法(男女雇用平等法)も、不必要な性別制限を禁じている。したがって、採用やマーケティングにおいて「美人ガイド」を採用することは、違法であるだけでなく、台東縣そのもののブランドイメージを損なう可能性がある。
台湾の観光業界アナリスト達や地元観光業者達からも様々な意見が出ているようだが、国内観光客にのみ特化したツアーだけでなく、外国人観光客の誘致をも視野に入れた考え方が必要ではないかと思われる。
そもそも台湾観光で人気の高いのは台北、台中、台南、高雄といった西台湾が中心となっている。その大きな理由としては、「新幹線、MRT等々、移動が楽で充実している」という点である。一方、東台湾の最大の問題点はその移動手段である。唯一の鉄道網は台湾鉄道のみ。移動時間的には、台北から花蓮までが約2時間。台東までは約3時間と旅行としてはさほど遠くはない。しかし、肝心の台湾鉄道のチケットが直ぐに完売してしまい、日本国内でも「台湾鉄道の特急列車のチケットは取りにくい」という認識が定着している。業者による買い占め行為については様々な対策が打たれているが、未だに、根絶できていない。
さらに、現地到着後に観光を依頼するドライバーガイドの質の問題である。
昔から変わらぬガイド内容、行程では飽きられてしまう。また、バックマージン目当てのお土産屋巡りにもうんざりしている。
台湾人観光客と同じコースで外国人観光客を案内する事も問題である。台湾人が好む風景、体験、グルメと外国人の好みとは違うという事をまずは念頭に入れるべきである。
その上で、例えば、日本人向けコース、東南アジア人向けコース、欧米人コース等々を考え、本当の意味でのプロのガイドを育成する必要があるだろう。
最後に、東台湾観光に関しては、台東縣のみで検討するのではなく、花蓮縣とも連携する事で、東台湾を満喫できる観光を提供出来るのではないだろうか。
2026年に開催が予定されている「台東万博」に向けて、今からでも台東観光についての抜本的な見直しが必要である。
出典:東台湾新聞網 台東縣政府
